2016年05月30日

常盤御前の故郷を訪ねて

 奈良の「かぎろひ歴史探訪」ウォーク(月一回)に参加してきました。もう何年も前から行われて
いるウォークですが、昨年10月に引き続き2回目の参加です。

 今回は近鉄大阪線の榛原駅(宇陀市)に午前10時に集合し、受付を済ませた後バスで松井バス
停まで行き、その後歴史ウォークを楽しみました。内容は源義経の母である「常盤御前」の故郷を
訪ね歩くというもので、何時もの古墳や御陵を見て歩くウォークとは趣がやや違っていました。

 平家や源氏などの武家社会が始まろうとしていた時代で歴史の大きな変換点でした。

 そのころの歴史はあまり詳しくなく「常盤御前」(義経の母)の名前は聞いていましたが、「静御前」
(義経の愛妾)の方が頭に残っているというような状況でした。歴史探訪の先生の資料によれば、
源頼朝の父である源義朝とその側室・常盤御前との間に生まれた子供が源義経だったようです。

 常盤御前は公家の雑仕女だったようですが、美貌で有名で千人の中から選ばれた一番の美女
と言うことで源義朝の目にとまり側女となったようです。今若、乙若、牛若(後の源義経)など3人の
子供をもうけました。

 1159年の平治の乱で平家に敗れた源氏が逃げ惑う中で常盤御前は牛若丸などの子供3人を
連れて、京都から生まれ育ったこの地(現宇陀市)に逃げ延びました。ただ京都に残した母が平
家につかまり、その助命のために子供3人を連れて京都へ出頭しました。主人である源義朝は
敗走の途中で寝返った部下に殺されたようです。

 平清盛からは子供三人を助命する代わりに側室になるようにせがまれ、それを受け入れたとな
っていますが、これは講談師などが好む筋書きで実際にはその時点で頼朝も助命を受けていた
ようです。平清盛の妾になる話は歴史的には証明されていないようで、ほどなくして公家の一条
長成と再婚し一男一女を生んでいます。この一条長成が源義経の養父(義父)となっています。

 その後源平合戦で源頼朝が平家を倒し鎌倉に幕府を開きますが、源義経は追われる身となり
最後は頼朝に殺されるのは皆様ご存知のとおりです。常盤御前もその戦乱の中で捕まりますが、
その後どうなったかは歴史資料に出てきません。そのこともあって全国各地に常盤御前の墓が
あるようです。ここまでは先生の話の受け売りです。

 バスを降りてしばらく歩くと「桜庭神社」がありました。ここは江戸初期の建立で地元東郷村の
荒廃を救う目的で建てられました。天照大神を祀っていました。その後芳野川沿いを歩いて「
妙香寺」に到着し、そこの本堂の中で先生の講話(勉強会)を聞きました。(上記の内容)

 その後その場所で昼食となり、御厚意で本堂を使わせていただきました。また最後にはお内儀
に秘仏の「念持仏」(常盤御前が肌身離さず持っていた仏様)を拝ませていただきました。源義経
も見たであろう仏様を拝見て感激したのは言うまでもありません。また昼食の途中でお内儀から
ミニトマトなどの差し入れもあり一同大いに感謝した次第です。

 昼食を頂いた後はお寺のお内儀に感謝の言葉を述べて、門前で全員の記念写真を撮りました。
 午後はさらに芳野川を上流へ歩いて「惣社水分神社」へたどり着きました。ここはこの地の水の
神様の元締めだった場所で社殿は小さいが由緒は一番の神社だったようです。150段の階段は
工事中で少し回り道をして社殿に入りました。

 帰り道はやや山沿いを下り、江戸時代の庄屋さんなどの旧家を見学し、また常盤御前ゆかりの
場所(井戸や腰掛石)などを見学してバス停まで戻りました。帰りのバスは事前に予約(30人)して
いたようで榛原の駅まで貸切の直通でした。解散後の飲み会にも誘われましたが翌日も宴会があ
ったので涙を呑んで断り家路につきました。


             近鉄大阪線「榛原駅」です。ここに10時に集合しました。
常盤御前の故郷を訪ねて


       「ムシトリスミレ」です。葉の表面が粘質の腺毛を密生していて虫を捕獲するようです。
常盤御前の故郷を訪ねて


         「桜庭神社」です。江戸初期の建立で豊作祈願のために建てられました。
常盤御前の故郷を訪ねて


               「芳野川」沿いを歩くウォーカーたちです。
常盤御前の故郷を訪ねて


             「妙香寺」です。常盤御前の念持仏を拝見できした。
常盤御前の故郷を訪ねて


           芳野川にいたアマガエルです。ピクリとも動きませんでした。
常盤御前の故郷を訪ねて


              「カワセミ」ですが少し遠かったのでボケています。
常盤御前の故郷を訪ねて


           「惣社水分神社」です。やはり田舎は水がすべての始まりです。
常盤御前の故郷を訪ねて


                「常盤御前」が座った石の説明板です。
常盤御前の故郷を訪ねて


               実際に常盤御前や牛若丸が座ったかも・・・
常盤御前の故郷を訪ねて











 

 

 

 

 


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この記事へのコメント
まさに牛若丸・義経並みの大活躍ですね。
福岡で地引網楽しんだかと思うと、次は奈良で歴史探訪ヲーキング。

常盤御前のことは名前くらいしか知りません。
その郷里が榛原だったことなど平家物語読めば出てくるのでしょうか。
尤も、私は榛原周辺へは訪ねたこともありませんが・・・
Posted by dojyou38 at 2016年05月31日 10:54
dojyou38さん

 こんばんは!

 風邪気味で薬を飲みながらのウォーキングでした。

 私も今回初めて「常盤御前」の詳細を知ったもので、
まだまだ知らないことだらけです!

 ブログを書くことで知識が多少残るのではないかと
思って綴っています!

 榛原は奈良でも田舎の方で「長谷寺」のさらに奥です。
Posted by PANDORAPANDORA at 2016年05月31日 22:27
こんにちは!

お忙しいところ、ご参加、丁寧なブログ記事を、ありがとうございました。

白雪さんともようやく対面がかない、うれしい限りです。
すでに旧知の間柄のような錯覚を起こしておりまして、ご紹介のこともうっかりしていて失礼しました。

おかげさまで、天候にも恵まれ、和気藹々の楽しい歴史探訪となりました。
ありがとうございました。

また反省会でもご一緒できるのを楽しみにしております。
Posted by かぎろひ at 2016年06月01日 18:53
かぎろひさん

 こんばんは!

 今回は常盤御前の話が聞けて大変勉強になりました。普段歴
史関係の本はあまり読まないので不勉強でしたが、先生の詳し
い話を聞かせていただいて新たな知識と興味が増えました。

 めったに参加できませんので白雪さんとの関係も旧知のことと
ご理解していただいていたことは充分理解できます。

 榛原の駅で「かぎろひ歴史探訪」の旗を持っておられる方が白
雪さんだろうとは直ぐに判りました。

 そのうち声をかけていただけるか、お忙しそうだったのでこちら
からお願いしようと思っていました。昼食のあとが丁度その時だ
った次第です。

 白雪さんとは次回からはもちろん旧知の仲でお話させていただ
きます。ありがとうございました!
Posted by PANDORAPANDORA at 2016年06月01日 21:49
かわせみは那珂川町の町鳥ですが、飛ぶスピードが速く、
撮影は難しいと言われております。
止まっているかわせみを撮影できたのはラッキーですよ。
Posted by 日々是好日 at 2016年06月04日 21:22
日々是好日さん

 こんばんは!

 川のそばを歩いていると「カワセミ」が飛んでいました。飛翔中を
撮るのは機材(コンデジ)的にも腕の面でも無理なので、止まった
ところをと思ってしばらく追っていると途中の茂みに消えました。

 近づいてよく見ると一羽の「カワセミ」が枝に止まっていましたの
で、コンデジの望遠を最大限に伸ばして撮りました。この写真が精
いっぱいのところでしょう!

 「カワセミ」は止まる木や枝が決まっているので、よく観察すると
見つけられます。鳥の撮影は根気との勝負ですね!
Posted by PANDORAPANDORA at 2016年06月04日 22:28
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