2018年02月03日

竹内街道の古墳とワインを求めて

 昨日(2月2日)はかぎろひ歴史探訪の番外編として、竹内街道を歩きました。Yさんの企画でした。

 近鉄南大阪線の上ノ太子駅に10時に集合し、まずは「観音塚古墳」を目指しました。このあたりは
一面ぶどう畑が丘を覆っており、この古墳もその中に埋もれるように作られていました。もちろん古
墳時代にはぶどう畑もなかったでしょうから見晴らしの良い丘にお墓を作ったものと思われます。

 7世紀の制作で百済の様式が濃いことから、百済からの渡来人の墓ではないかと推定されていま
す。安山岩の切石を組み立てた横口式石槨で高松塚古墳と同じような形式でした。中に入ってみる
と、天井がやや台形になっており、中にお棺があったものと思われます。

 ここは発掘調査がされていないこともあって、宮内庁の管轄ではなく「羽曳野市」の所管になってい
ました。従って立入禁止の囲いもなく石室内へ入ることも出来ました。石室の奥の壁には模様のよう
なものもありましたが経年劣化で判別は不可能でした。

 次は「飛鳥戸(あすかべ)神社」へ向かいました。ここは5世紀の頃の神社でやはり百済からの渡来
人を祀っていたと思われています。その後竹内街道を西へ進み「杜本神社」へ向かいました。ここも
はじめは飛鳥戸氏(百済方の渡来人)を祀る神社だったようです。

 その後、竹内街道を飛鳥川沿いに北西に進み「河内ワイン」の醸造所へ到着しました。ここではお
店のガイドさんにワインの詳しい製造方法を聞き、最後に参加者の中から希望者がワインを購入し
ていました。またその後お店のご厚意により2階で弁当を食べる場を提供してもらいました。

 すぐに3本ほどワインを買い弁当をアテに9人ほどの宴会が始まりました。一人当たり240ccほど
でしたがほろ酔い気分になりました。ランチの後はまた数人の方がワインを買っていましたが、お店
の方にお礼を言ってお暇しました。

 その後近くの「駒ヶ谷駅」から電車に乗り「藤井寺駅」まで移動しました。ここではまず「葛井(フジイ
)寺」にお詣りしました。ここは西国三十三ヶ所巡りの一つで過去に家族で回った所でした。今では
「藤井寺」と書きますが奈良時代に春日大社の藤原家から「藤」の字の使用を禁止され「葛」の字を
使うようになったとのことでした。

 続いて「辛國神社」をお参りしました。ここは6世紀の雄略天皇の時代に物部氏によって創建され、
その後辛國氏が祭祀をつとめ、辛國神社と称するようになったようです。伊勢神宮の遥拝所もあり
ました。またその長い参道が伊勢神宮の方向を向いているのも特徴のようです。

 最後は仲哀天皇陵の近くの「鉢塚古墳」に向かいましたがここは住宅街の中に粗末なフェンスで
囲まれただけの小さな丘と言った感じでした。一応前方後円墳ですが、その上に立ってもよく判らな
いような状態でした。たぶん発掘調査も十分されているとは思えないような古墳でした。

 時間が多少余ったので近くの「アイセルシュラホール」へ向かいました。ここは藤井寺市の考古学・
歴史系博物館施設をメインとする生涯学習センターの愛称で使われている施設で、「倭の五王と巨
大古墳」をテーマした古墳築造技術の紹介展示や各種ホールの利用が中心のようでした。

 そしてお約束の〆として酒どころ「藤本酒造」を訪問し、おかみさんの蘊蓄を聞いたところで解散と
なりました。藤井寺駅前へ戻って希望者だけ「立ち飲み酒場」へ繰り出しましたが、結局全員の参加
となり反省会へと突入しました。その後、藤井寺駅で分かれて6人が阿部野橋へ向かうことになりま
したが、そのメンバーで天王寺で二次会となりました。Yさん、最後までお世話になりました。


               「観音塚古墳」です。石室の中へ入れます。
竹内街道の古墳とワインを求めて


               石室です。ここに石棺が収まっていたようです。
                  現在は全くの空で副葬品もありません。
            奥の壁に模様のようなものがありますが、判読不可でした。
竹内街道の古墳とワインを求めて


                      「飛鳥戸神社」です。
竹内街道の古墳とワインを求めて


                      遥拝所(神殿)です。
竹内街道の古墳とワインを求めて


              「河内ワインの館」です。ワインの販売もしていました。
竹内街道の古墳とワインを求めて


                     ワインの醸造装置です。
竹内街道の古墳とワインを求めて


                     ワインの貯蔵用樽です。
竹内街道の古墳とワインを求めて


                  ワイン品種や収穫までの説明図でした。
竹内街道の古墳とワインを求めて


    竹内街道の謂れを説明していました。江戸時代は伊勢街道としても使われていました。
   難波から京(みやこ)への道ですが、実際は飛鳥(奈良)への街道として利用されていました。
竹内街道の古墳とワインを求めて


              羽曳野市で見かけた「チョーヤ梅酒」の本社です。
竹内街道の古墳とワインを求めて


          「井真成(いのまなり)」という藤井寺出身?の遣唐使の一人です。
        阿倍仲麻呂らと唐へ渡り、優秀な人物でしたがその地で亡くなりました。
               藤井寺市の公式キャラクター「まなりくん」です。
竹内街道の古墳とワインを求めて


              「葛井寺(ふじいでら)」の西門(四脚門)です。
竹内街道の古墳とワインを求めて


                      「藤井寺」の本堂です。
竹内街道の古墳とワインを求めて


                  辛國神社です。6世紀の創建です。
竹内街道の古墳とワインを求めて


            「アイセルシュラホール」の全景です。修羅を象っています。
              「修羅」とは古墳時代の重量物運搬装置のことです。
竹内街道の古墳とワインを求めて



















 

 

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この記事へのコメント
いつも「かぎろひ」の言葉が気になってました。調べてみると「陽炎」とか「曙光」とか「朝の光」とかの意味みたいですね。どこが主催かわかりませんが・・なかなかアクティブな歴史探訪のようです。参加者もそこそこ多いようですね。やはり奈良は古墳時代から奈良時代までの歴史的な遺物が多いのであちこちいろいろな探訪ができますね。こちらは毎日冷蔵庫の中のような寒さが続いてます。白馬より体感的には寒く感じます。実際は白馬のほうが寒いとは思いますが・・・(笑)外に出る気がしません。今朝の気温がちょうど0℃くらいかな?ではまた
Posted by いち at 2018年02月05日 06:29
「ひむがしの野にかぎろひの立つ見えてかえり見すれば月かたぶきぬ」
奈良の古都探訪はいいですね。
車無しで行けるのが特にいいです。
こちらでは車での移動が、主なので酒が飲めません。
気の合う仲間と、酒を楽しみながら名所を歩くのは、今しか出来ませんね。
交通機関でいえば、九州はまだ後進地域です。
Posted by shige at 2018年02月05日 08:11
いちさん
 お早うございます!
 先日の歴史探訪は番外編だったので参加者も10名と少なめでした。
 通常は30~50名の参加です。遠方(東京等)からの参加者もいます。
 今回は竹内街道の大阪府側を散策しました。大阪にも仁徳天皇陵を
初め数多くの古墳が散在しています。第二弾も期待するところです。

 奈良も昨日は寒かったのですが、明日からは多少気温も上がるようです。
 昨日は霧氷を見るために三峰山(1,235m)に登ってきました。2~3日内
にブログもアップする予定です。
Posted by PANDORAPANDORA at 2018年02月05日 08:35
shigeさん
 お早うございます!
 この会は奈良周辺を散策する会で、基本はウォーキングなので
途中でお酒も飲める「歩こう会」です。
 たまたま主催者のご夫婦が両名とも日本酒大好きで、解散後は
希望者だけですが反省会と称する飲み会に突入します。比較的に
リーズナブルな「立ち呑み処」に目星を付けて行きます。
 また会の途中でも酒処(奈良は日本酒の発祥の地)を組み込ん
で試飲と称して軽く飲むこともあります。
 九州でも同じような会の開催は可能ですが、音頭取りがいるかど
うかで決まってくるのではないでしょうか?
Posted by PANDORAPANDORA at 2018年02月05日 08:47
竹内街道、名前だけ知っていました。
司馬遼太郎が書いた随筆のようなものを読んだことがあります。
井真成、久し振りに聞く名前です。何の本で読んだのかも忘れました。

観音塚古墳、随分精巧に造られている古墳ですね。
副葬品も豪華でたくさんあったことと想像されます。
盗掘されているのでしょうが、残念に思います。

痺れるような寒さを突いての歴史探訪ウォークお疲れ様でした。
でも昼食時もワインがあり、反省会も2次会まであり止められませんね。

お互い、暖かい春が待ちどしいですね。
Posted by dojyou38 at 2018年02月05日 10:23
dojyou38さん
 こんばんは!
 今回は番外編として竹内街道の大阪側を歩きました。
 もともとは大阪・堺と飛鳥を結ぶ日本最古の官道で、聖徳太子が
遣隋使の帰国時に隋からの使者を奈良の都へ迎えるために作られ
たという説もあります。
 竹内街道には日本三大天皇陵や古墳が近くにあり、古の官道の
佇まいを十分に感じることが出来ました。

 ワイン工場のガイドさんのお言葉に甘えて、昼食の場所まで提供
いただき大いに感激した次第です。
Posted by PANDORAPANDORA at 2018年02月06日 00:39
奈良と同じように阪南地方も竹内海道、古墳、寺院、神社、井真成の遣唐使記念館等があり、歴史を感じますね。
Posted by 日々是好日 at 2018年02月06日 16:00
日々是好日さん

 こんばんは!
 日本中どこの地域にも神社やお寺はありますが、古墳となると
限定されるようですね。もちろん福岡にもありますが、やはり近畿
地方は数、大きさ共に抜きん出ている気がします!
Posted by PANDORAPANDORA at 2018年02月06日 21:53
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