2016年05月21日

山陰旅行その1(世界遺産・石見銀山)

 何時もの山友と山陰地方へ出かけました。たまには中国山脈の山にも登ろうという計画です。

 今回も車で移動しましたが、天神から九州道・中国自動車道を経由して浜田道から石見銀山へ
向かいました。いつものように交代しながらの運転です。

 昼前に石見銀山へ着いたので、先ずは「石見銀山資料館」で全体の概要を勉強しました。
 その後お昼になりましたので川向のそば屋さんで「代官そば」を頂きました。冷たいソバと温か
いソバの二色盛りでした。

 昼食後は事前に予約していたガイドさんの説明を聞きながら3時間近くのウォーキングでした。
 当日は我々5人以外にも6名のお客さんがいて総勢11名を引き連れたガイド付き散策でした。
 ワンコインガイドと言うことで一人5百円でガイドを頼めるものです。

 やや年配の女性のガイドさんでしたが、知識が豊富で「石見銀山」のすべてを知り尽くしている
ような方でした。途中の質問にも「立て板に水のごとく」と言う感じで回答していただきました。

 我々5名の内私ともう一人は10年程前の世界遺産に登録される前に来ていたもので、整備され
た「石見銀山」を楽しみにしていました。銀山の坑道のことを現地では「間歩(まぶ)」と呼び、全部
で700以上あるとのことでした。

 石見銀山は鎌倉時代後期の1300年ころから露天掘りで採掘されていたようですが、一時廃れ
て本格的には1526年頃に博多の商人「神屋寿貞」が再発見し、間歩(坑道)を掘り進む形式で採
算の取れる鉱山となったようです。ここで博多の商人(博多三傑)の一人が出てくるとは思ってい
ませんでした。

 当然戦国時代に入っていたので大内氏、尼子氏、大内氏、毛利氏、豊臣秀吉、徳川家康と次々
に主を変えて最終的には徳川家の天領となったようです。当初は日本に銀の精錬法が確立され
ていず朝鮮などへ鉱石を輸出していたようですが、神屋寿貞の尽力により朝鮮の銀精錬技術で
ある「灰吹法」をマスターしてからは国内で精錬して海外へ輸出できるようになったようです。

 当時の世界における銀産出の三分の一は日本産で、その大半がこの石見銀山から掘り出され
たということからも当時の武将が血眼になって領有しようとしていたことが判ります。豊臣秀吉が
朝鮮征伐に行けたのもこの銀があったからできた所業のようです。徳川家康は関ヶ原の戦いで
西軍を破った10日後にはここに「大久保長安」と言う銀山奉行を派遣したこともその表れです。

 最盛時は20万人(現在は400人)の人口を抱え、お寺も160ケ寺以上あったということで当時の
賑わいが想像できるでしょう。これらの情報はすべてガイドさんの受け売りです。10年前にはまだ
世界遺産に登録されておらず、当然ガイドさんもいなかったのでほとんど素通りといった状態で
観光したのを覚えています。当時はカメラを抱えた撮影旅行でした。

 ガイドが終わって出発地へ戻ってきた時に、ガイドセンターの会長さんから「これから国民宿舎
さんべ荘へ行かれると伺っていますが、荷物を一つそこへ持って行ってほしい」と頼まれました。
 理由はは午前中のガイドで一人のお客様が荷物(キャリーバッグ)をお忘れになってさんべ荘に
泊まっているのでこちらに来られる方がおられたら頼んで欲しいとのことだったようです。

 結構大きなバッグだったのでいぶかしがりながらも引き受けました。その前に近くの「五百羅漢」
を見物する予定ですと言ったら、ガイドの会長自らが無料で説明を引き受けてくださり、30分ほど
付きっきりで詳細の説明を受けました。「一日一善」はするものですね!

 宿に着いて宿泊の手続きをしていると件(くだん)の女性が受付まで降りてきて、キャリーバッグ
のお礼を我々のリーダに言われました。そしてお礼にと言うことで地元の特別大吟醸「石見銀山」
(720ml)を渡されようとしました。ついでのことだったので断りましたが、どうしてもという言葉に甘
えていただきました。実はその前に酒屋で大吟醸「石見銀山」(一升)を購入したところだったので
すが、トータル一升四合の日本酒が夕食の晩酌に出ることが決まった瞬間でした。

 旅装を解いて宿の温泉に浸かり、その後一階の食事処で夕食を食べ始めました。先ずは生ビー
ルで乾杯し「石見銀山」の素晴らしさなど語り、また翌日の「三瓶山登山」の抱負などを語りながら
食を進めましたが、生ビールが無くなってきたところで日本酒に切り替えました。

 先ずは頂いた特別大吟醸から飲み始めましたが、特別が付いているだけに口当たりの良い美味
しいお酒でした。普段お酒を殆ど飲まない私も美味しくいただきました。5人の宴会だったので四合
の特別大吟醸は早々に無くなり、一升の大吟醸に手を伸ばしました。本来はこういう場所では持ち
込みは嫌われるのですが、事前にホテルの支配人にキャリーバッグのお礼(お酒)を頂いた時に、
了解を取っていたものです。一升瓶までの了解は取っていませんでしたが・・・

 気が付いてみたら周りの宿泊客はみな部屋へ戻っていて、我々だけが延々と宴会を続けていま
した。そして一升瓶も空になったところで〆のご飯としじみ汁を頂きお開きとなりました。

 翌日は朝7時から朝食だったので早めに就寝しました。


           石見銀山の代官所跡で「石見銀山資料館」となっていました。
山陰旅行その1(世界遺産・石見銀山)


                  町の入口にこの看板がありました。
山陰旅行その1(世界遺産・石見銀山)


         「町並み地区」の入口です。右の家にはうだつが上がっていました。
山陰旅行その1(世界遺産・石見銀山)


    「間歩(坑道)」の一つです。危険なので立ち入り禁止の看板と鉄格子がありました。
山陰旅行その1(世界遺産・石見銀山)


                実際に坑道を見物できる「龍源寺間歩」です。
山陰旅行その1(世界遺産・石見銀山)


           その龍源寺間歩の入口です。上には神棚が飾ってありました。
山陰旅行その1(世界遺産・石見銀山)


       同じく出口です。間歩(坑道)の長さは600mありました。公開部分は273mです。
山陰旅行その1(世界遺産・石見銀山)


           五百羅漢の看板です。実際に500の羅漢さんが祀ってありました。               
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         国民宿舎さんべ荘の夕食の一部です。石見牛の鉄板焼きもついていました。
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この記事へのコメント
1日1善、幸先の良い山陰旅行の始まりですね。
石見銀山、最盛期人口20万も有ったのですか。
凄いですね。そんなに栄えていたとは知りませんでした。
もっと寂びれているのかと思ったら、うだつの町並みなど残っているのですね。
福岡に在住していた時に訪ねておくべきだった。残念。
Posted by dojyou38 at 2016年05月21日 23:03
dojyou38さん

 こんばんは!

 人口20万人は信じられない数字ですが、お寺が160カ寺以上あった
と言う話から本当のようですね!私とK田さんは二度目でした。二人とも
10年程前で世界遺産になる直前でした。

 「町並み地区」と「銀山地区」があり、町並み地区は昔の儘にほぼ残っ
ていました。銀山地区は山の中なのでほとんど朽ち果てた状態のようで
した。一部を観光用に整備しているとのことでした。

 いつか四国に帰られるときに、島根に立ち寄ることも考えられるので
チャンスはいくらでもありますよ!
Posted by PANDORAPANDORA at 2016年05月21日 23:22
こんにちは!

中国山脈の山登りですか、大山も入るのでしょうね、羨ましいです。

石見銀山、懐かしい響きです。
世界遺産に登録(約9年前)されて直ぐに見に行った記憶があります。
宍道湖畔の店のケーキセットがとても美味しかったことを思い出しました・・・(^。^)
Posted by とんぼちゃん at 2016年05月22日 13:22
とんぼちゃんさん

 こんばんは!

 岩見銀山は登録される前にもT岡さんと行きましたよね!

 倉敷、尾道経由でカメラ片手の撮影旅行でしたが・・・
Posted by PANDORAPANDORA at 2016年05月22日 21:47
岩見銀山見学、おつかれさまでした。一見は百聞に如かずとは、このことです。聞くと見るのとでは大違いで、さすが世界遺産登録のことはあります。いい思い出ができました。
Posted by 日々是好日 at 2016年05月29日 22:55
日々是好日さん

 こんばんは!

 私は二度目でしたがガイドさんの説明が素晴らしく、
やはり詳しい方に教えてもらうのが一番ですね!
Posted by PANDORAPANDORA at 2016年05月29日 23:49
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